未来への風

『 いくぞー!!!!!! 』  『 うわぁぁぁぁぁぁぁぁー!!!!!!!!!!!!!!! 』 

互いにしっかりとつないだ手と手   押し寄せる笑顔と大きな歓声  
愛する父、母に届けた   感謝の思い   大きく成長した彼らの姿。   そして爽やかな風。

・・・ウィンドラン   昨年の高円杯 ( 2010.8.23 ときめきの夏風 ) から一年振りに 大きな風は舞った。

10月15日、その日は訪れました。  雨は上がって気温もやや高め。 コンディショニングは良い感じ。
選手達の表情も緊張を通り越し、自信に満ち溢れた面持ちだった。

その中でも、三年生の表情は一際明るく見えた。 
顎も引き、顔が上がり、口元も引き締まり、凛とした感じが伝わった。 
『 凛 』 ~ 何があっても動じない、落ち着いた心持ちと姿勢。 
どうやら、一晩で覚悟を決めてきたのだろう。  死を迎えるにあたり生の意味を知る。
この緊張が、また彼らを一段と成長させた。  一日で・・、・・いや、一瞬の経験が子供を育て、人を変える。

・・・今日、何かが起こる・・・。  

時は待たず、その時を迎える。 

一試合目、前半・・・、やはり20点の重圧はゴールを遠ざけた。 焦り過ぎて、雑な縦パスが連発。 
ボールを早く奪ってゴールへという気持ちが互いにチグハグ。  
皆が奪いに戻り、縦に早く送りすぎ、最終的に得点チャンスにゴール前が薄くなる。 
互いを信じて役割をハッキリさせるように指示を出した。 
互いの信頼は徐々に落ち着きを取り戻し、次第にペースを掴み出した。  

・・・いや、いつも以上に良かった。 こんなに上手だったかな・・・。  ・・・神様、見てるのかい、ここにいるのか。

前半3点をやっと捥ぎ取り帰って来た。 20点には遠い・・・ しかし誰の目にも未来を疑う曇りはなかった。 
後半ボルテージは上がる。  ネットを揺らす・・・身体ごと・・・ 気持ちで向かう、ゴールへ・・・ゴールへ!!
獰猛に、一心不乱に皆がゴールへ・・・気持ちをひとつにしてゴールへ・・・あと一点・・・もう一点・・・

・・・終了の笛が鳴るほんの刹那、 その日何本上げただろうか、右サイドバックの三年生レンが渾身の早いクロスを上げる・・・

駆け上がったスピードに乗って電光石火の如く、高く飛んだ小さな身体・・・ 左サイドバック三年生梅崎が頭で合わせてネットに突き刺した・・・  
これが10点目。  なんと10-0で勝利。  夢か・・・まさか・・・嘘だ・・・ 本当にやるのかこの子たちは!!
『 明日以降の未来は後から付いてくるから、今日の目標は後一試合! あと一試合勝つことだけだ!! 』
1位と2位の試合の一試合置いて、あと一試合。 未来の扉に近付いていた・・・。

・・・しかし、ドラマは仙台FCにだけ、あるわけではなかった・・・。 

1位のエナブルが2位のアバンツァーレに敗れ、順位は入れ替わった・・・。 この時点で潰えたのです。

1部昇格戦の未来の扉は閉じられた・・・。  

『 今日の目標は変わらない。 あと一試合勝つことだけ。 後輩に、自分達に、仙台FCの未来に・・・。 共に戦ってきた君達の姿を一生忘れない為に、この目に焼き付けて置きたい・・・。  この日を忘れない為に、最後まで全力で戦ってきてくれ。  そして、最高の笑顔で帰ってきてくれ。 』

・・・全ての思いが解き放たれたのか。  そう、ここまでいつも追い詰められて戦ってきた。

全てを見返すために。  自分自身を変えるために。  自分の世界を変えるために。
諦めなかった。  バカにされても。  コケにされても。  見下されようとも。  未来を信じて疑わなかった。
厳しさは、そう、ここまでの苦しい道程は並大抵の事ではなかった。  悔しかった。 辛かった。
いつも涙ばかりを呑んできた。  他の周りが楽しそうに見えた。  なんでおれらだけこんなに苦しいんだ。

・・・絶対に、負けない。  絶対に・・・。  耐えてやる・・・  そして、未来を変えてやる。 ・・・絶対に・・・。

三年生、ジュニアユース年代 最後の公式戦。  最高のシチュエーションで向かえた最高の消化試合。
選手から、ベンチから、父母サポータたちから、最高の笑顔が解き放たれた・・・  全ての想いが解放された。
こんな終わり方・・・いや、こんなエンディングを迎えられたのも、この子達の努力から生まれたのかもしれない・・・
そう思えた。 悲しみに包まれるのではなく、苦しんで苦しんで戦ってきた彼らにだからこそ迎えられたラスト・・・

笑顔での終幕・・・。

得点は数えちゃいなかった・・・  ただただ、ワンプレーワンプレーをこの目に焼き付けようと・・・ 涙を拭った・・・
君達に出逢えて、 良かった。  諦めない気持ち、それは君達から教わったよ。
君達のおかげで、私も自信を持てるようになった。  だって、君達は絶対に諦めなかったんだもの・・・。
君達は、君達を変えた。  本当に出逢えて良かった。  

2試合目、10-0   合計20点。  彼らは最後まで諦めなかった。 約束を果たした。

扉が開かれないことを知りながらも、最後まで全力で戦った。  

そして、笑顔でベンチに帰ってきた・・・。

『 いくぞー!!!!!! 』  『 うわぁぁぁぁぁぁぁぁー!!!!!!!!!!!!!!! 』 

互いにしっかりとつないだ手と手   押し寄せる笑顔と大きな歓声  

愛する父、母に届けた   感謝の思い   大きく成長した彼らの姿。   そして爽やかな風。

また、新しい扉に向かって、新しい未来に向かって、仙台FC、この大きな風は舞う・・・。  
 

Published on 2011.10.17 at 12:32 by Sendai FC Staff

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