終わりを告げる

まだまだ真夏日は続く。  しかし厳しい真夏の合宿を乗り越えた彼らには、この暑さもなんら問題はない。

子供達には 『 夏休みは終わったんだ! 早く切り替えろ! 』 などと毎日行っているのですが、

ここまで暑さが続くと夏休みがまだまだ続いているような・・・。

彼らと追いかける夏の目標や思い出も まだまだ続くような・・・。

9月4日、グランドにはなんの恥じらいもなく大きな声で泣く、32人の子供達がおりました。

後輩達30人のサトシくん、リュウヤくんと追いかける夏の夢は、この日終わりを告げた。

0-2。 正直、誰をとってみても、全力を出し切れた試合ではなかった。 しかし、それが実力というもの。 

いつ何時でも自分の持てる力を120パーセント出し切れることが、一流選手の条件。

その試合での120パーセントのパフォーマンスのために、日々100パーセントで練習するのです。

毎日やり残したりしないように。 明日への課題を明確にするように。 日々、全力で練習するのです。

ロスタイム2分表示。 

『 2分あれば2点取れるから 最後まであきらめるな!! 』 私は叫んだ。

無論、選手達は1分1秒すらあきらめてなどいない。

しかし、時間という現実は確実に彼らに幕を下ろそうと近付いてくる。

今までこんな焦りや、迫り来る悔やみや悲しみを感じた事は恐らくないだろう。

選手達の顔には汗以上に流れてくる涙があった。それは、拭っても拭っても・・・。

必死にこらえようと搾り出した選手達の声に、互いは互いの胸を劈いただろう・・・。

ベンチにいる選手達の声も心も十分にフィールドには届いただろう・・・。

そして、終了のホイッスル・・・。  ・・・夏の夢、終わりを告げる。

このロスタイムでチームはひとつになれた。 敗戦という悲しみによって。

私はその瞬間憤りを感じた。 ( おまえらなら・・・もっと できただろっっっっ・・・ )

( 泣く前に、 もっと準備してれば・・・  今日はもっと、笑えただろっっっ・・・ )

しかし、それは自分に返る。 この2週間の自分の躊躇。  私が弱いのかと・・・。

憤りなど、選手任せの責任逃れでしかないと・・・。  選手にあやまろう・・・。

『 すいませんでした!! 』  

戻ってきたキャプテン智志は 堪えた嗚咽を搾り出すように言葉にした。

おまえが なんであやまるんだ・・・ 今日まですまなかった・・・ たった2人で・・・

それでも 仙台FCを引っ張ってきたじゃないか! 

『 みんなと同じチームで戦えて 本当に良かった! 本当にありがとう!! 』

サトシくんは笑顔で後輩達に言った。

『 1年生も2年生も一生懸命戦っているのに、自分が決めれなかったから・・・

 自分のせいで負けてしまって・・・  本当にごめん・・・  』

リュウヤくんは悔し涙で後輩達に言った。

後輩達は ここではじめて、 人生に何度かある節目という終わりを実感し、

大きな大きな涙をおぼえました。 

それはまだ感じたことのない涙、 はじめて流した涙でした。 

明日突然、大好きな先輩や仲間と別れが来てしまわない様に・・・。

明日突然、夢の続きが終わりを告げてしまわぬ様に・・・。

明日突然、哀しくも悔しくも、大きな涙がとめどなく流れてしまわぬ様に・・・。

喜びや笑顔で満たされる幸せな明日にするために、毎日全力でがんばるのです。

大きな声で泣く 大きな涙が 私に夏の終わりを告げたとともに、

終わりや別れが彼等をまたひとつ大人にさせたのだと、 32人の涙に告げられたのでした。

Published on 2010.09.06 at 14:30 by Sendai FC Staff

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