『 なんでおれやめたんだろ・・・。 やめなければよかったぁ・・・。 』
先日の練習の帰り、送迎の車の中で彼は口にした。
彼は現在、19歳。 仙台FCユースの選手だった。 しかし高校1年で退団してしまった。
高校も休みがちになり、ついには高校までも中退してしまったのだ。
若者特有の思春期・成長期など、人生への考え方・他人との価値観の違い。
彼自身にいろんな考える要素があり、生活の中で発散・消化できなくなってしまったのだろう。
倦怠感、無気力、他人とのコミュニケーションの遮断。
彼自身も自分がわからなくなってしまった。 制御、コントロール不能に陥ってしまった。
彼は何度か練習に来てみては、また音信不通。 そんな事を繰り返した。 何度も・・・。
足掻いては、掴みかけ。 見付けては、諦めて。 開いては、また伏せる。
自分でも自分が嫌になるほど、自分を見つめて来たのだろう。
同級生も卒業し、後輩達と練習をしていたある日、
『 大学に行こうと思います・・・。 もう一度、サッカーがしたくなりました。 』
『 もうこんな生活嫌なんです。 こんな自分が嫌なんです。 本気でがんばります。 』
練習にも度々来るようになり、眼差しがはっきりと変わったのが私にも伝わった。
彼は大検を受け合格。 今年の受験に挑んだ。
先日、報告に来た彼からの言葉は、なんと・・・。
『 法政大学に 合格しました。 』
うれしかった。 私は本当にうれしかった。
『 大学に受かっても、サッカー部に入るにはセレクションがあります。 』
『 練習させてください。 お願いします。』
『 厳しいよ。 でもやるしかないよな。 』 私は答えた。
結果ではない。 まして挑戦しない者に結果などもない。
やるしかないのだ。 またあの無気力な人生に戻ってはいけないのだ。
生きたければ、死ぬ気でやるしかないのだ。
結果を怖がるな。 恐れを為したとき、人は足を止め、また人生の扉は閉じられてしまう。
がんばるしか道はないのです。
勇気の継続。 一番難しいことです。
しかし、乗り越えたとき、見える景色はすばらしい。 その快感がまた人をがんばらせる。
人生はやり直せる。 何度でも。 あなたが望む限り、あなたが挑む限り。
あなたの夢は終わらない。