互いの夢

戦うものは皆 同じ夢を見ているのだと・・・。 

それは敵、味方 そしてまだ出逢ったことのないサッカーを愛する全ての者達が見る夢なのだと。

9月5日  高円杯U-15   準・準決勝

試合を終えた私は、 少しばかり心ここに有らず といった感じでしょうか、

地下鉄を乗り過ごすなど  何を考えるのでもなく  ただ空になっていたようだ。

H.Sフットボールクラブ。  加盟も同じくスタートした同時期発足のクラブチーム。 

いわば 仙台FCと同級生チーム。

スタッフは顔見知りで 二年間よく手合わせをして頂きました。

選手同士も同じ中学校など、2年間よく合わせた顔だから知らぬ仲ではない。

先の栗駒中戦では、スタンドから応援の声もくれたほどだ。

3年目のお付き合いになるのに公式戦では初対戦。 それが3年生最後の大会。

  『  最後の最後にここで当たりたくなかったですね  』  お互いのスッタフは口にした。

どちらかは涙を流すことになる  勝負するものの宿命。

答えを迫るかのように時間は経ち  その時を向かえた。

試合開始早々  続けざまに  2失点。  初戦の課題になった立ち上がりの硬さは変わらず。

まだまだ舞台を経験しなければならない、練習では補えない 『 緊張を楽しむ 』 というキャリアが足りなかっ

た。

足がすくんでいるのがよくわかった。

赤子に歩けと怒鳴ったところで歩けはしないだろうと思い、 時間はあると伝え  私は待つことにした。

立ち上がり、歩かねばほしいものが手に入らぬ、赤子の本能を、

彼らの生きんが為に目覚める本能を、  待つことにした。

そして赤子が苦しくなり 泣き始めた    『  ここからだぞ!! 行くぞ!!! 』

立ち上がって餌を喰らうまでの早さは人ではなく獣なり。  親の手を借りずとも狩りをしだした。

そう  自らでしか挽回の余地はない。 自力で生還するのみ。

前半終了間際に1点返しベンチに戻ってきた。

味方を励ます者。 失点から切り替えられぬ者。 自分のプレーができず苛立つ者。

戦術を口にする者。 全ては不安をかき消すためにそれぞれが足掻いているのです。

親の出る幕などそうそうない。 ここしかないのです。 こんな時しか。

『  あーだ、こーだ戦術語るまえにやる事あんだろうが!! 球は1個しかねんだよ!!

   びびって足すくんでんじゃねえか!!!  球奪わなければ理想なんかねぇんだよ!!

   球取って ネット揺らすために運ぶんだ!!  ネット揺らすために球取れよ!!!!! 』

そう 陳腐に思えるでしょう。  仙台FCの指示とは。

いいえ   私はもっとも彼らの自信のあることに対して問いただしただけのこと。

彼らを見た人々がかならずといっていいほど口にしてきた言葉、

『  なんでこんなにがんばれるんだ!!!  』

『  直向きな姿勢が 強かだ!!! 』 

いつも忘れてしまう大切なこと。  勝ちたいなら追わなければならない。  

立ち止まった時、やがて訪れるのは 敗北という恐怖だ。

取らなければ負けるだけ。   

彼らは  後半開始と同時に積極的なボール奪取をしかける。 

自信を失いかけた守備陣は気を取り直し  ボール奪取にかけるべく人数を前衛に送りだす。

『 ゴールは俺たちが必ず守るから  点取ってきてくれ!!  』 

『 必ずネット揺らしてくるから  ゴール守っててくれ!!  』

お互いの言葉と心が通い始めたのが ベンチにいた私にも伝わった。

一つになった気持ちは そうそうに2点連取し  逆転に成功したのです。

しかしつかの間、 その20秒後に3失点目。  どちらもゆずらないゲーム展開。

残す時間を、互いがチャンスとピンチの応戦を繰り返す 好ゲームに。

私は残りの時間ろくな指示などだしてはいない。  ひたすら 『 がんばれ!!! 』 

彼らにとって 仙台FCにとって一番必要な戦術を  ひたすら叫んだ。 『 ここだ!! がんばれ!! 』

互いの選手はあり余す力などないほど精一杯戦い  3-3のまま 延長戦へと向かう。

精神力のみの戦いになるほど体は消耗していた。

しかし ここにきて 互いは猶も 全力をぶつけ合う。  どこにそんな力があるとばかりに戦う。

まさに死闘。  ぼろぼろになり、それでも戦う姿は綺麗だった。 

一瞬 全てのプレーがスローモーションに見え  音も途切れた。

延長戦20分全てが終了したのだった。

非情ながら 勝敗は決しなければならないもの。

PK戦。

敗者、勝者、どちらの選手も涙を流すとてもすばらしい試合でした。

互いに同じ夢を真剣に抱く兵ども。  夢の大切さや 喜びや悲しみ、悔しさは互いが一番知れたこと。

H.Sフットボールクラブに惜しみない敬意と感謝を。

我々は  夢のため 互いに戦い合ったチームや選手たちのため  全力でがんばります。 

ベスト 4  進出 !!!!!

Published on 2009.09.10 at 15:26 by Sendai FC Staff

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